この記事でわかること

  • 創業融資の確率を上げるためのポイント
  • 弊所の創業計画書作成サポートの内容

創業融資って簡単に受けられるの?

けろさく

創業を検討しています。前のブログで税理士の開業資金について話を伺いましたが、僕の事業でもそれなりの金額になります。自己資金では足りないので融資を検討しています。

北島

創業時の融資は相対的に難易度が低めなので、融資は是非検討してもらいたいです。難易度が低めと言ってもポイントがいくつかあるのでそれを解説していきますね。

通常融資と創業融資の違いについて

融資を受ける際には、金融機関の審査が必要となります。
一般的には過去の実績などをベースに審査することになるので、確定申告書や直近までの試算表が必要です。

しかし、創業時の場合は過去の確定申告書や試算表がない人が殆どだと思います。
その場合は、それらの書類に代えて「創業計画書」というものを作成します。
過去の実績ベースではなく、これから行おうとする事業計画書ベースで審査を行うこととなります。

創業時に受ける融資のことを「創業融資」と言います。
創業時の資金調達は一般的に、「日本政策金融公庫の創業融資」、「都道府県などの各自治体で行っている制度融資」どちらかを活用することが多くなります。

因みに過去に事業等を行ったことがあり、主に事業所得による確定申告書を提出したことがある人は、創業計画書だけではなく、過去の確定申告書も審査の対象になる点ご留意ください。

融資を受けるためのポイント3選

  1. 信用力に傷がついていないか確認する
  2. 必要最低限の自己資金を準備する
  3. 説得力のあるビジネスプランを作成する

信用力について

3つのポイントの中で最も重要な部分です。
自己資金も十分で、説得力のあるビジネスプランを作成しても融資が受けられない場合は、信用力に傷がついているケースが多いです。
信用力というのは期日までに約束の金額をきちんと支払っているかどうかで判断されます。

ご自身がお金を貸す立場になって考えてみてください。
お金を貸した際に一番避けたいことって何だと思いますか?
それは貸したお金が返ってこないことです。

期日通りに返済をしなかったり、約束の金額よりも少なく返済する人にお金貸したくないですよね。
それが信用力に傷がついているという状態です。

具体的にはクレジットカードで返済が滞ったりすると信用情報に傷がつくと思ってください。

信用力は調べられるの?

自分は信用力に傷がついているのだろうか?
信用力は調べることができます。金融機関もこの情報をもとに信用力を評価しています。
それが「CICの信用情報」です。

主にCICが管理している情報は以下の3つです。
・申込情報 ⇒ クレジットやローンの新規申込みの情報
・クレジット情報 ⇒ クレジットカードの支払状況の情報
・利用履歴 ⇒ 利用日、利用目的、利用会社名等の情報

▲クレジットカードを新しく作ろうと思ったら作れなかった
▲リース契約や取引先との契約ができなった

心当たりのある人はCICの情報を取得してみることをお勧めします。
CICは若干の料金(1500円前後)が必要となりますが請求すれば情報開示してくれます。
CICホームページ

信用力に傷がついているけど借りられる?

信用力に傷がついてしまうと融資の難易度は一気に上がります。
しかし、絶対に借りられないと言い切ることもできません。
支払の遅延がスポットなのが経常的なのかによって印象は変わりますし。

CICで管理する情報は保有期間が定められており、申込情報や利用履歴などは6カ月間、クレジット情報は契約期間中および完済後後5年以内となっております。返済遅延等あった借入金完済後5年経過後など昔の遅延等であればCICの信用情報に掲載されない可能性もあります。

自己資金やビジネスプランでそのマイナス分を相殺できたり、事業に対する意気込みなどをアピールできれば融資の可能性は0ではないはずです。

自己資金について

お金を貸す立場になって考えてみてください。
信用やビジネスプランが全く同じAとBがいた場合に、

Aは1万円の自己資金
Bは100万円の自己資金
どちらに貸しますか?
ほとんどはBに貸すと思います。

20歳で自己資金1万円
60歳で自己資金1万円
どちらに貸しますか?
ほとんどは20歳に貸すと思います。

自己資金は多いに越したことはないです。
そして自己資金が少ない場合はそれなりの合理性が求められます。

融資は本人のやる気や意気込みなども評価されます。
自己資金を目標に向けてコツコツ貯めてきた人は、その計画性が意気込みなどの裏付けになりますし、逆に意気込みだけあって自己資金がない場合は懐疑的になってしまいます。

信用力に傷がつくと融資の難易度が一気に上がるように、
自己資金についても自己資金がなかったり、自己資金と借入希望額のバランスが悪かったりすると融資の難易度が上がります。

自己資金はいくらあればいい?

日本政策金融公庫の創業融資では以前は以下の条件がありました。
「借入希望額の10分の1の自己資金を用意する必要がある」
ですが、今はこの条件は撤廃されています。
自己資金0円でも融資を申し込むことは可能です。

ただし、ここで重要なのは「融資を申し込みすることができる」と「融資を受けることができる」は全く別次元の話ということです。
融資の申し込みがあると、審査フェーズに入りますが、そこで自己資金は審査項目に間違いなく入っているはずです。
ですので自己資金はある程度準備しておくことが必要です。

ではいくらあれば良いのか。
その明確な回答をすることはできませんが、融資を受けた人の借入金と自己資金の割合のボリュームゾーンは
「借入希望額の10分の3程度の自己資金」だそうです。

資本金1円の会社でも融資は受けられる?

資本金1円の会社
資本金100万円の会社
突然ですが、資本金以外同じ条件だとしたらどちらの会社と取引しますか?
100万円の方が多いと思います。
資本金多い方がなんとなく信用できますよね。

創業計画における、法人の自己資金は一般的には資本金となります。
代表の個人資産なんかも自己資金として見てくれる場合もあります。

冒頭、信用力の話を書きましたが、資本金が少ない会社って信用力が少ないんですよ。
資本金というのは会社運営の元金みたいなもので、1円だと代表の法人への貸付金がないと基本的に運営できないですもんね。

資本金が著しく低い場合も融資の難易度は上がります。
代表の個人資産が多い、特許を持っているなど特殊事情があればこの限りではないですけどね。

事業計画について

上記2つは事業内容云々以前の形式的な側面が強かったですが、事業計画はその前の通り計画内容の良し悪しが審査に影響を与えます。
・これまで建設業などの現場で働いていた人が飲食店で開業するってなったら
 なんで?ってなりますし
・開業初月から売上が1000万で利益率は80%です!てなったら
 本当に?ってなりますし
・人材派遣業のように特別な許可や資本金要件が必要な業種で開業ってなったら
 許可や資本金は大丈夫?となります

良い事業計画とは、以下のようなものではないかと思っています。
〇創業の動機、目的が明確で合理的である
〇自社ブランディングの方向性が明確で、他社との差別化が実現可能である
〇マーケティング戦略が効果的である
〇収支計画や資金計画が具体的でかつ客観的である

事業計画と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、おススメは日本政策金融公庫の創業計画書です!
A3用紙一枚に計画に必要な項目が詰まっているので比較的簡単に計画を作成することができますよ。

そして事業計画書を書いたら専門家等の他の第三者に見てもらってください。
作成するといっても1人では限界があります。いろいろな人に見てもらうことで多角的な視点で確認してもらうことが可能です。

日本政策金融公庫 創業計画書
創業計画書の書き方のコツ!

ざっくりポイントを解説すると以下の通りです。

①事業概要の決定
これまでの経験や人脈を活かせるビジネスが良い。
 経験が活かせない場合は資格を取得などノウハウ取得を証明するもの、フランチャイズなど第三者の協力体制が得られるなど、経験を補完するものが欲しい

②外部・内部・市場分析
⇒自身の強みや参入しようとする業界の市場などを分析をして、競合他社とどのように差別化するかを検討

③マーケティング戦略
⇒どのような商品(サービス)を取り扱い、それをどのようにして周りに周知するかの戦略
 どんなにいい商品(サービス)も知ってもらえないと売れないのでここの部分はかなり重要。

④収支計画
⇒売上や利益等の収支計画。売上の積算根拠がかなり重要。具体的かつ客観性が求められる。

⑤資金計画
⇒事業資金(初期投資、運転資金など)がどれくらい必要で、その事業資金を捻出するために自己資金だけで足りるのか、借入が必要なのかなど
 事業資金の調達方法を検討

詳しくの以下の動画にまとめてますのでよかったらご覧ください。

まとめ

北島

創業融資を受けるためのポイント3選をお伝えいたしました。
・信用力
・自己資金
上記2つについては形式要件的な側面もあり満たすか満たさないかですが、事業計画においてはある程度対策が可能な部分になってきます。

けろさく

事業計画作成のポイントは解説してもらいましたが、実際に自分のビジネスについて書くとなると難しいですし、専門家に確認してほしいと思いました。

北島

事業計画のセミナーに登壇させて頂く機会もありますが、事業計画作成に不安を持っている人も少なくないです。
公的機関で無料で相談できる機会も多いので活用してみてください!

また弊所でも創業計画書作成をサポートさせて頂く新しいサービスを提供させて頂くことにしました。そちらの活用も検討していただけると幸いです。

創業計画作成サポートプラン

創業・起業の最大の不安?融資についてサポートさせて頂きます!

年間200件以上、起業や創業に関する相談を受けておりますが、その中で融資に関する相談はかなり多いです。
創業計画書作成は事業の内容に応じて記載する内容も異なるため、個別的にサポートする必要があります。
融資が受けられないと事業を開始することが困難になるなど、手続きの重要性はかなり高いです。

そういったニーズにお応えすべく、創業計画書作成のサポートや、融資を受けるためのサポートをさせていただきます。
各金融機関や日本政策金融公庫とのコネクションもあるのでご紹介等も可能です。

<前提条件>
開業されて1年目の事業者様で創業融資限定のサービスです。
既に事業を始められており確定申告の実績がある方はサービス対象外になります。
融資が困難だと判断した場合はお断りさせて頂く場合がございます。

料金など気になる方はこちらをご覧ください。