この記事でわかること

- 未経験30歳からの税理士試験突破法
- 合格に必要な能力
- 合格に必要な学習時間
- 学習テクニック
- これから受験をする方へアドバイス

未経験30歳からでも税理士試験は合格可能

税理士試験を受験しようと思っているのですが合格できますか?

その質問よく受けます笑
結論から言うと合格できますよ!!

30歳から税理士の勉強を始めて(業界未経験)
働きながら
5年間で税理士試験合格できますよ!

そんな人居ます!?
相当難関だと聞いたことありますけど・・・

居ますよ。私です笑
実際に私がそのような状況で税理士試験合格しているので、合格するためにどうしたら良いのか記載していきますね!
はじめに
「30歳からでは遅いのでは?」「働きながら税理士試験に合格するのは無理では?」
そう感じて挑戦をためらう方も多いのではないでしょうか。
実際には、30歳・未経験から挑戦し、約5年で税理士試験の5科目に合格した事例があります。本記事では、その学習戦略や勉強時間の確保方法、メンタル維持の工夫を詳しく紹介します。
税理士になるためのルートと試験選択
税理士試験は「会計科目2科目+税法科目3科目」の合計5科目に合格することで、税理士資格の登録要件を満たせるルートです。
科目合格制なので、1年で全てに合格する必要がない(積み上げ方式)メリットがある反面、合格まで平均7〜8年かかる長期戦になりがちというデメリットも存在します。
税理士試験の会計科目(簿記論・財務諸表論)に合格し、大学院(税法専攻や会計専攻)を修了すると、税法科目2科目が免除されるルートです。
試験で合格すべき科目が「3科目」に減るため、負担が大幅に軽減メリットがある反面、大学院進学に時間・費用(2年間+学費200〜300万円が目安)がかかったり、実務経験が不足しがちになるというデメリットも存在します。
税務署や国税庁に一定期間以上勤務した人(一定の役職経験を含む)は、税理士試験を受験せずに税理士登録が可能です。
試験合格なし(署内の試験はあるらしいが、、、)で税理士になれるメリットがある反面、公務員という組織の中で数十年働き続けないといけないというデメリットも存在します。

30歳から「試験合格ルート」で挑戦し、約5年で5科目合格を果たしたケースを記載しますね
合格に必要なたった1つの才能
「努力の才能」
税理士試験は、短期集中型ではなく 5〜10年単位での継続学習 が求められます。
合格に必要な要素は「努力の才能=覚悟とモチベーションの持続力」。
努力の才能は先天的ではなく、後天的に手に入れることができるものです。
「精神論かよ」と感じる方もいるかもしれませんが、
・30歳から
・未経験で
・働きながら
となると物量をこなすしかないのです。それをこなすだけの覚悟とモチベーションが必要なのです。
弁護士や会計士などは地頭の良さのような才能的な部分が少なくないですが、税理士試験はその比率が著しく低く、私のような一般人でも受かることができる試験です。

ちなみに私の学力は偏差値50くらい
特段頭が良いとかそういうことはないかと思います。
年度別の学習進捗

システムエンジニア時代に簿記2級取得。簿記の面白さを知る。
残業の少ない職場へ転職し勉強時間を確保。
上場企業子会社の経理部として転職。全経簿記上級に合格し受験資格を獲得
私の場合、受験資格を取得するところから始まりました。
簿記論・財務諸表論をクレアールで学習開始。
財務諸表論のみ合格!!
簿記論・法人税法をクレアールで学習開始。
簿記論のみ合格!!
法人税法・消費税法など税法科目へ進む、受験校をTACに切り替え
法人税法に合格でき、税理士試験いけるかも!?という気持ちが芽生える
消費税法・相続税法をTACで学習開始。
両科目で不合格。。。それなりの精神的なダメージを受ける
消費税法・相続税法で2科目同時合格!
HPに自分の受験番号が載っていた時の高揚感は今でも鮮明に覚えてます。
元々はシステムエンジニアでした。大学も工学部なので税理士の受験資格がなく受験資格取得から始まっています。
自己啓発の一環で簿記を勉強したところ面白かったのが勉強のきっかけ。最初は簿記を極めて会社の経営陣になりたかったのですが、目標がいつしか税理士試験合格に変わっていました。
働きながら税理士試験を突破するためには「残業時間の少ない職場を選ぶ」ことは必須です。システムエンジニアでは実務経験を積むことができないので、残業が少なく実務経験が積める会社へ転職を決めました。
会計事務所へ転職しなかったのは、一般法人であれば税理士が取れなくても役員等の経営陣への道も残っていると感じたためです。
毎年2科目ずつ試験を受けました。二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉がある通り無謀と思われる方もいるかもしれませんが、実際はそうではないです。
簿記論×財務諸表論
法人税法×消費税法
などが有名ですが、各受験科目にはシナジー効果があるものがあるため、勉強量は必ずしも2倍にならないですよ。
試験には確率的要素もあり、2科目を並行することで合格機会を分散できる
2科目受験のメリットとしてこちらも挙げられます。簿記論を筆頭に年度によって難易度にバラツキがあるため合格機会の分散化が可能です。税理士試験で一番ダメージを受けるのは勉強頑張ったのに1科目も受からないケースなんですね。それを回避できる可能性が少しでも上がりますよ。

消費税と相続税が両方ダメだったときは精神的にかなりのダメージがありましたが、法人税法を合格していたので勉強のモチベーションを保つことができました。
まずは、簿記論と財務諸表論の受験をしましょう!簿記論と財務諸表論が合格できる実力がないと税法科目の合格はかなり厳しいです。
合格率だけでみると、どの科目も同じような割合になっていますが、税法科目と会計科目では大きな溝があります。税法科目は会計科目を合格した人が受験しているので、受験者の基礎レベルが会計科目より高いためです。ガチ勢との競争になるのが税法科目です。
合格に必要な学習時間
「年間約2,385時間」
平日7時間、休日10時間を目安に勉強していました。
【平日7時間の内訳】
通勤時間1時間、昼休み1時間、予備校&帰宅後21時~26時
【休日10時間の内訳】
予備校&自宅10時間程度
【理論暗記が肝】
理論暗記は書いたり、聴いたり、読んだりで色々な方法がありますが、私はひたすら読んで覚えました。ただ、普通に読んでいると普通に眠くなるので私は体を動かしながら理論を読みまくりました。最寄り駅の1~2つくらい前の駅で降りて歩きながら理論を暗記するような感じです。人とぶつかったりする危険性があるので河川敷など人通りが少ない場所を歩いてました。
ChatGPTで質問をしてみると以下のような時間が平均のようです。
簿記論:約600〜800時間
財務諸表論:約500〜700時間
法人税法:約1,000〜1,200時間
消費税法:約400〜600時間
相続税法:約700〜900時間
年間2,385時間には2科目分の学習時間が含まれているのですが、平均学習時間を超過していると思います。私はそこまで頭が良い方ではないので、量でカバーをしたという感じです。自分は勉強の才能はないけど努力の才能はあるって思ってひたすら勉強をしました。
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道。」
イチローの代表的な名言です。
日々の勉強を少しずつ積み重ねて、それを何年間もコツコツ続けて、やっと合格できる試験です。数年間モチベーションを維持することが税理士試験を合格するためのポイントといえます。
前述の通り税理士試験においてモチベーションの維持はとても重要ですが、私の場合は、土日のどちらかは完全に勉強をしない日を設けていました。当時結婚もしていましたので、家族で出かける予定などを入れて、予定を楽しみにしながら日々勉強を頑張っていました。リフレッシュ日を設けて勉強のオンオフを切り替えるのが私のモチベーションの保ち方でした。
学習テクニック
税理士試験合格のためには予備校の活用は必須です!私はクレアールとTACを活用しました。簿財は独学で合格される方もいるようですが、税法科目においては必須です!
予備校では模試などを通じて自分の立ち位置を確認しましょう!
税理士試験の科目ごとの合格率は10%前後ですが、それは予備校で上位30%以内に入っていると到達できる可能性が高いといわれておりました。模試で上位をキープし続ける気持ちで勉強に取り組むと良いと思います。

税法科目はガチ勢との戦いなので、いきなり上位を狙うのは大変です。2年目以降は上位陣が合格していなくなるので、比較的上位を取りやすい環境になりますよ!
1度正解しただけだど身についていない可能性もあるので、とにかく問題集を繰り返し解きます!私の場合は「3連続で正解するまで反復」方式で徹底管理しました。
自分のミスの傾向を把握することはとても大事です。繰り返し問題を解いていると間違いやすい論点や、間違いの傾向が明らかになります。試験や模試の直前に間違いノートを見直すと、試験中に同じミスをする可能性はグッと減ります!
税理士試験で得られるもの
税理士試験は、実務で重要性の高い論点が試験として出題されます。税理士試験に合格できる知識があれば実務でも十分にそれを役立てることが可能です。
税理士になるためにはいくつかのルートがありますが、会計士税理士(会計士の資格を合格して税理士登録した人)、大学院免除税理士との最大の差別化は試験の過程で得た知識になります。それが最大の強みになります。
1万時間以上の膨大な勉強時間を積み重ねるって並大抵のことではなです。税理士試験合格はゴールではなくスタートです。税理士として独立する場合、会社の管理職になる場合など色々な課題に直面しますが、税理士試験に比べればいずれも取るに足らない課題に思えると思います。それくらいメンタルが強くなりますよ。
自信をもって仕事をするためには成功体験を積み重ねることが大事です。税理士試験合格というのは司法試験や公認会計士試験に次ぐ難易度といっても過言ではないと思います。その試験に合格した!という成功体験は今後の人生の選択において大きな支えになります。何事にも自信をもって取り組めるようになりますよ!
これから受験をする方へアドバイス
税理士試験は30歳からでも十分に合格可能
残業の少ない職場環境を整える
定時後の時間は極力学習の時間に充てる。残業が多いとそれだけ合格から遠のきます。
年間2,000時間以上の学習時間を投下する
30歳で働きながらの合格を目指すにはとにかく勉強するしかないです。
問題演習・理論暗記を徹底的に管理する
税法科目は予備校で上位30%以内に入る必要があります。そのために演習・理論ともに反復学習しましょう。
長期的モチベーションを維持する
税理士試験は長期的なマネジメントが必要です。勉強を継続できれば合格に近づく試験です。
動画でも解説しているのでよかったらご覧になってください。
まとめ

税理士試験について、私の実体験をもとに書かせていただきました。

精神論に見えても、税理士試験はまさに「努力の積み重ね」が成果に直結する資格試験なんですね。

税理士試験は長期間に渡る試験です。会計士のように特別の才能は不要です!その反面努力の積み重ねが必要になってきます。

努力を継続できれば、私のように30歳未経験で働きながらでも税理士試験合格は可能ですよ!