
- 機構から届く書類(企業評価書の提出依頼)とは何か
- 「赤字」と「債務超過」の違い
- 企業評価書が必要になる制度上の根拠(法令名)
- 企業評価書を作成できる資格者
- 債務超過でも受け入れを続けられるケース


先生、大変です!外国人技能実習機構から書類が届いたのですが、「企業評価書を提出してください」と書いてあって…これって何ですか?

それは焦りますよね。でも落ち着いて!これは決算で債務超過になったときに機構から求められる書類の提出依頼です。ちゃんと対応すれば実習生の受け入れは続けられますよ!

債務超過…?赤字になったのは知っていましたが、債務超過とは違うのですか?

そこ、とても大事なポイントです!実は「赤字」と「債務超過」はまったく別物なんですよ。今回はこの書類が何なのか、そしてどう対応すればいいかを丁寧に解説しますね。
機構から届く書類――「企業評価書の提出依頼」とは
外国人技能実習機構(OTIT)や監理団体は、受け入れ企業の決算書を定期的に確認しています。その中で直近の決算期末において債務超過の状態が確認された場合、企業の経営状態を専門家に評価してもらうよう求める書類が届きます。
この書類の正式名称は「改善の見通しに関する評価書(企業評価書)の提出依頼」です。書類が届いても慌てる必要はありません。適切な専門家に依頼し、期限までに提出すれば実習生の受け入れを継続できます。
まず確認!「赤字」と「債務超過」は違います
よく混同されますが、この2つは明確に異なる概念です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 赤字(純損失) | その事業年度の損益が損失になること |
| 債務超過 | 貸借対照表上で、負債の合計が資産の合計を上回っている状態 |
機構から書類が届く原因は「債務超過」です。単年度の赤字が出ていても、これまで積み上げてきた純資産がプラスであれば債務超過にはなりません。まずは貸借対照表の純資産の欄を確認してみましょう。
制度上の根拠――どの法令に定められているか
技能実習制度・育成就労制度の場合
「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(平成28年法律第89号)に基づく技能実習制度運用要領において、以下のように定められています。
直近の事業年度において債務超過となっている場合は、企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通しについて評価を行った書類の提出が必要。
育成就労制度(2027年完全施行予定)においても、監理団体を通じた受け入れの骨格は引き継がれており、同様の財務要件が適用される見込みです。
特定技能制度の場合
出入国在留管理庁が定める「特定技能外国人受入れに関する運用要領」においても、受け入れ機関の事業継続性の観点から、直近期末において債務超過となっている場合は改善の見通しに関する評価書の提出が必要とされています。
企業評価書を作成できるのは誰か
制度によって、作成できる資格者が異なります。どの専門家に依頼するかは制度によって決まっているので注意が必要です。
| 制度 | 作成可能な資格者 |
|---|---|
| 技能実習・育成就労 | 中小企業診断士、公認会計士 (※税理士は一般的に対象外とされています) |
| 特定技能 | 中小企業診断士、公認会計士、税理士 |
当事務所は中小企業診断士・税理士の両資格を保有しているため、いずれの制度においても企業評価書の作成に対応しています。
企業評価書に求められる内容
単なる「頑張ります」という意思表明では認められません。審査機関が求めるのは、専門家による客観的・論理的な評価です。具体的には以下の内容を盛り込む必要があります。
- 債務超過に至った経緯の分析――一時的要因か構造的要因かの判断
- 直近の財務状況の詳細分析――損益・キャッシュフロー・自己資本の実態
- 改善の見通しの評価――原則として1年以内に債務超過を解消できる見通しの説明
- 事業継続性の根拠――受注状況・売上計画・資金調達状況など
- 外国人材の処遇維持能力の評価――賃金・生活環境を継続的に守れるかの判断
- 専門家としての総合所見
書類が届いても受け入れ継続できるケースとは
企業評価書を提出した上で、以下のような事実が示せる場合、審査上の判断が前向きになるケースがあります。
- 一時的な特別損失(固定資産の除却、訴訟和解金など)が主因である
- 営業キャッシュフローは黒字を維持しており、資金繰りは安定している
- 具体的な受注残・契約があり、翌期以降の売上回復が見込まれる
- 金融機関からの支援継続が確認されている
- 前期末は債務超過ではなく、直近期のみの一時的な悪化である
逆に、数期にわたる継続的な債務超過や、資金繰りの見通しが立たない場合は、評価書の作成にも限界があります。まずは早めにご相談ください。
なぜ税理士・中小企業診断士に依頼すべきか
税理士としての視点――決算書の数字を正確に読み解き、債務超過の会計的・税務的な背景を説明します。減価償却・引当金・繰越欠損金など、財務の実態と表面上の数字のズレを論理的に示すことができます。
中小企業診断士としての視点――財務数値だけでなく、業界動向・競合環境・経営戦略を加味した総合的な経営評価を行います。「この企業は将来にわたって外国人材を支え続けられるか」という問いに、経営分析の視点から答えます。
この2つの専門性を一つの事務所で完結できることが、当事務所の強みです。
税理士・中小企業診断士からのアドバイス
提出期限までに時間がないケースも多いです。書類が届いた段階ですぐにご連絡ください。早めに動くほど対応の選択肢が広がります。
単年度の赤字と債務超過は別物です。まずは貸借対照表で純資産がプラスかどうかを確認しましょう。
技能実習・育成就労では中小企業診断士・公認会計士が作成資格者とされています(税理士は一般的に対象外)。特定技能では税理士も含まれます。正確な要件は監理団体や機構にご確認ください。
まとめ
- 機構から届く書類は「企業評価書の提出依頼」――債務超過が確認されると送られてくる
- 問題になるのは「赤字」ではなく「債務超過」(貸借対照表で確認)
- 技能実習・育成就労は技能実習制度運用要領、特定技能は特定技能外国人受入れに関する運用要領が根拠
- 作成には中小企業診断士・公認会計士(特定技能は税理士も可)の資格が必要
- 当事務所は両資格を保有しており、すべての制度に対応可能

機構から書類が届いても、諦める必要はまったくありません!早めにご相談いただければ一緒に解決策を考えますよ。初回のご相談は無料ですので、お気軽にどうぞ!

書類が届いたときは本当に焦りましたが、ちゃんと対応できるんですね!ありがとうございました!
初回のご相談は無料で承っております。お気軽にお問い合わせください。
